現代語訳【エーテルとは何ぞや】今日の科学思想 第6章《大日本文明協会著・1913年/大正2年発行・原著Scientific Ideas Of To-day by Charles R Gibson 19
第6章 エーテルとは何か 読者の中で物理学の書物を紐解く者は、空間を占有し、いたるところに瀰漫すると言われているエーテルなる言葉を必ず耳にしたことがあると思う。この言葉は我々が酒精から作る種類で芳香性を有する揮発油に付いている名前と同じであるが、もちろん揮発油のエーテルと宇宙空間に瀰漫するエーテルとを混同すべきではない。いたるところに瀰漫しているある種の中間体があるとの観念は夢でもなく、また妄想でもない。まことに我々が種々の自然現象を観察する時は、このようなものがあることを仮定せずには何らの説明をすることができないからである。エーテル説は根拠ある仮説である。学者がエーテルの存在を信じ
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